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感動の新宿区 税理士

一方、スワップ導入後の販売価格の九八○円は、固定価格ですので、契約期間中は全く変わることがない、いわゆる確定値です。
はまちの価格変動率を調べてみると、保守的に見積もっておよそ平均価格に対して一七%のボラティリティがあることがわかりました。 そこで、この価格変化率が営業収益に与える影響を分析してみましょう。

はまちの価格変動は正規分布に則って変動すると推測されます。 そこで、はまちの価格を正規分布に則って乱数を発生させて、収益変化を予想してみましょう。
これは営業利益の散らばり具合を示したヒストグラムです。 横軸が営業利益の範囲です。
両方を比べてみると、価格を固定化したときよりも変動価格のままのほうが、はるかに営業収益の取り得る数値の範囲が広いことがわかると思います。 パーセンタイルと予想営業収益を示しています。
パーセンタイルとは、与えられた数値を下回る(上回る)結果となる確率を示すものです。 はまち価格を固定化すれば、残りのリスクは販売量の増減のみです。
営業収益に影響を与えるリスク要素が減るわけですから、収益変化は安定します。 分析の結果を見ると、固定化の場合では営業利益が、およそマイナス七七○万円からプラス二○一○万円の間で収まりました。
これに対して、変動のままで放置すると、収益はおよそマイナス一億九○○万円からプラス一億七○○○万円の範囲で振れることが予想されます。 固定化に比べ相当収益のぶれが起きています。
もちろん平均予想収益は、変動価格のほうが高いですが、企業経営の安定性という観点から考えると、固定化の効果は絶大であったと予測:営業利益(変動価格)予測:営業利益(固定価格)固定化vs変動の収益分布比較考えられます。 それは、収益がマイナスになる確率を見ても明らかです。

計算すると、固定化の場合は営業収益が赤字になる確率が七%以下なのに対して、変動の場合は二五%以下と非常に高くなっています。 このように、はまちスワップの導入によりリスクの逓減に成功したと言えるわけです。
双方の収益分布を重ねたものです。 営業収益が安定化している様子がよく表れているのが、わかると思います。
さてはまち業者が考えていたことは、次のようなことでした。 「はまちスワップ導入により収益は安定した。
しかし収益といっても十分ではなく将来のことを考えてもっと収益を伸ばしたい。 そのためにはまちを市場を通さずに、直接小売業者に販売したい。
小売に参入するには、魚市場に卸していたときとは違って、自らマーケティングを行わなくてはならないため、その分の費用が必要となる。 しかし、販売単価は五○%増しの値段で売ることができる。
また、さばける量も、いまより二○%増しを見込んでいる。 そのため収益も三倍ぐらいにはなりそうだ。
従来どおり魚市場のせりに依存する卸売戦略では、市場売価が固定価格で九八○円、販売量は二○万キログラムであり、営業利益は六○○万円と見積もられています。 それに対して、小売戦略に切り替えた場合、マーケティング費用が大幅に増大してしまいますが、その代わりに、いまよりも高い値段ではまちを売ることができるので、スワップによる固定化後で一キログラム当たり一四八○円で販売することができます。
また、販売量は二四万キログラムになり、その結果、営業利益は一八○○万円と約三倍になると分析されていました。 しかし問題なのは、販売量が一定ではなく予想に基づく平均値であるということです。

卸売の場合、販売量の変化は比較的安定しており、平均値の七%のボラティリティの範囲で販売量が変化すると推定されています。 一方の小売の場合は、顧客の需要ニーズの変化が激しいことから、平均値の一二%のボラティリティになると予想されます。
販売量の変化は、これも正規分布に則っているものと推測されます。 そこで正規分布に則って乱数を発生させて営業収益がどう変化するか分析してみました。
前掲と同様に、営業利益の散らばり具合を示したヒストグラムです。 横軸が営業利益の範囲です。
両方を比べてみてください。 そうすると、卸売戦略よりも小売戦略を採ったほうが、より営業収益のとる数値の範囲が広くなっています。
この表も同様に、パーセンタイルと営業収益を示しています。 これによると、卸売戦略では、営業利益はおよそマイナス八九○万円からプラス二○○○万円の範囲で変動するのに対し、小売戦略では、およそマイナス三三四○万円からプラス六一三○万円の範囲で振れることがわかります。
ここから言えることは、卸売戦略は、リターンは少ないもののリスクも限定されている。 一方の小売戦略卸売戦略と小売戦略の営業収益比較は、リターンははるかに大きいが、その分のリスクもあるということです。
卸売戦略の場合は、五○%の確率でプラス五九○万円以上の利益を上げられますが、小売戦略では、プラス一八四○万円以上の利益を上げることができます。 小売戦略で問題となるのは、最悪のケースの時です。
この場合はマイナス三三四○万円の損失を被る可能性があります。 どれくらいのリターンに対して、どれほどのリスクを許容できるのか、そういった経営判断があって、はじめて、新規事業に参入すべきか評価することがさて、この分析を見て、はまち業者はどう判断するべきでしょうか。
前掲のはまちスワップ有益性検証のところでは、価格リスクを減らすことに目的がおかれていましたので、固定化の意義は十分にありました。 同じような観点から判断すると、この場合も卸売戦略のほうが優っています。

しかし、リスクを減らすことが企業にとって、必ずしもベストの選択とは限りません。 それは、リスクを最小化することは、同時に収益も最小化することになるおそれがあるからです。
どんな事業であっても、何らかのリスクはあります。 リスクヘッジだといって、あまりにもリスクを極小化することに注力すると、せっかくのビジネスチャンスをみすみす逃してしまうことになります。
このケースの場合、小売戦略が卸売戦略より劣るのは、およそ一○%以下の非常に限られた確率に限定されています。 このわずかなリスクをどう考えるのか、この点を十分に考慮に入れて、事業判断をする必要があります。
言い換えるならば、事業判断とはリスクとリターンのバランスをうまくとることリスク極小化がベスト戦略ではない。 リスクとリターン、またまたこの問題が出てきました。
この世では永遠に結ばれることのない、しかし離れることができない悩ましい関係です。 あるいは「同じリターンなら、より小さいリスクを好む」という前提から導き出された考え方でした。

では、有効フロンティア上では、リスクとリターンのバランスはどう決定されるのでしょうか。 それを決定するのに、企業の効用を表す無差別曲線が必要になります。
一般に企業の無差別曲線は、リスクに対してリターンが逓増する曲線になります。 これは企業が、極端なリスクをとることを嫌う傾向(過大なリスクをとるのであればそれ以上にリターンを要求する)にあるからです。
リスクとリターンの最適水準は、この無差別曲線と有効フロンティアが交わった点に決できるわけです。 では、リスクとリターンの最適化はどのように達成されるのでしょうか。

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